カールじいさんの空飛ぶ家

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オープニングから10分間の展開に吸い込まれる。大量の風船が飛び出してくるシーンの映像美に驚かされる。じいさんの冒険と、新しい人生の始まりに涙する。これは本当にいい映画だ、そして世界のディズニーナメたらあかん。
内容は、人生の最後にじいさんがとち狂って家に風船を大量に結びつけ、夢を叶えに空に旅立つという風船おじさんも真っ青な…ではなく、よくあるファンタジー、じいさんと少年の冒険活劇であり、あぁディズニーってこんな感じに違いないよねというお話なんだと思います、たぶん。しかし、じじいがよる年波に負けず少年の時からの夢を叶え、そして夢とは何かを考え、なんとひとまわり大きい人間になって帰ってくるという成長活劇であり、ただ主人公が少年でないという仕掛けでおっさんをいたく感動させてしまうのです。なんと小憎たらしい。
あぁ、夢ってなんだっけ。そう、あのころやろうと思っていたこと、思っていたことは手にしてないけれどそれなりに楽しんで生きている、あぁ俺は満足しているのかもしれないと実感させられる開始10分。老いの恐ろしさとかたくなになってしまった思考を思い知らされる中盤。夢を叶えたけれど、夢は変わっていくこと、そこに新しい希望と成長があることに気づく終盤。まさかこのタイトルで人生を語られるとは思いもよらず、ディズニーナメたらアカンと、ってこれはさっきも言ったね。この映画は子供向けではなく、むしろ大人の心を揺さぶる。あれだ、ジブリで言えば千と千尋みたいな、子供は映像で喜び、大人はお話に感心し、という感じ。見てよかった。
そういや風船おじさんって今の若者は知らないという話。今頃は太平洋で肥料になったか、モンゴルにたどり着いてチンギスと呼ばれているか。そういう偉大な人だったのに時間というのは誠に恐ろしいものですな。
あ、3D初体験でしたが必要ないかと思われます。意外と目が疲れないのは好印象でした。