おくりびと

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夢破れたチェリスト、大吾(本木雅弘)は東京から田舎の山形へ。仕事を求め訪れた会社の業務内容は、安らかな「旅立ちのお手伝い」だった。
こんなに綺麗な映像が撮れるものなのかと感心し、その映像がもたらす感動はいつまでも心に残る。見逃すのは日本人として本当にもったいないと思える、あらゆる人に見てもらいたいと思える、そんなすばらしい映画はそうそう見つからない。この映画はそんな映画のなかの1本だと思います。
山崎努演じる納棺師、佐々木社長の仕事ぶりに鳥肌が立つ。本物の納棺師を見たことなんてないからリアリティなんてわからないけれど、誰が見ようがたぶんぐっとくる美しさがそこに。余貴美子が作中で「あの人にやってもらいたい」と言った時、スクリーン前の私たちは共感という形で映画の中に入り込んだのではないでしょうか。あと、この映画を見て「納棺師になりたい!」と勘違いする人が多少なりともいるんじゃなかろうかと思います。実際はきっつい仕事だと思いますけども。
キャストは全てがライトスタッフと言えるけれど、やっぱり山崎努が輝かしいと言いたい。なんとなく思い立って八つ墓村の動画を検索し、「この蝋燭野郎と同一人物とは思えねぇ」と役者の凄さを再確認した次第。広末は微妙に損な役回りでしたがあいかわらずかわゆくてよいのです。
中盤から終盤にかけて多少冗長、詰め込みすぎと感じられないこともありません。個人的にはクライマックスより心に響くシーンがあったのでなおさらそう思ってしまいます。それが唯一の欠点とも言えないような欠点じゃなかろうかしら。
とにかくオススメ。音楽もすばらしいので、まだやってるなら今すぐ映画館へ行くと後悔しません。