風立ちぬ

もやもやが残る映画というのが、一番の感想。いやほんと、嫌な感じを腹の中に残してやろうという、嫌味に近い意思を映画から(というか監督から?)感じたなぁ。すべてをほんとうに美しく描くことで、その裏にあった事実が醜く恐ろしいものとして一段、二段と引き立てられている。エンドロールを眺めながら、映画は良かった、でも後味は良くない、なんじゃこりゃという感じで、なんだか複雑と考えさせられてしまった。たぶん、あのへんの歴史についてどういう見方をしているかによって全然感想が異なるんじゃないかね。
映画としては、やはりジブリで駿の安心感。関東大震災の絵作りは背筋にきて、ちょっと怖くて泣きそうになった。そしてハイライトは後半。菜穂子さんかわいい。あのラブラブっぷりはいい!いいね!
あ、海外には日本映画として受けるんじゃなかろうか。滅びの美学みたいな感じで。