お仕事日記:チェコの林業

State forest(チェコ国有林みたいなもの)と契約を結んで伐採搬出というのが、チェコ林業の中心になっています。1〜5年くらいの長期、林道開設とバイオマス以外の事業を請負に出しますよというような内容、契約には年間のVolumeとQ単位で見直す各事業のPrice list(このプライスリストより安く仕事すれば利益)がある、というような契約になっていて、請負業者がコストダウンするインセンティブが強く、長期契約なので安定した仕事もできると、どこかの国も参考にして欲しいものだなぁと思った次第です。
チェコの森林法は非常に厳しいものであるらしく、PEFCなんてちょろいそうで、色々聞いてみたところ、全ての森林所有者は伐採にあたり10年間の計画(育林含めた)を作成する必要があるとのことでした。
計画外の事業は当然不可、計画以上の数量を出すのもダメ、変更には明確な理由の説明が必要と、日本の施業計画や伐採届けと比べてはいけないんじゃないかというくらいのハードルがあるようです。この制度を実現するには当然精度の高い計画と森林情報が不可欠ですが、そこは森林計測と計画を専門でおこなう会社が多数存在しており一年中調査をやっているそうで、彼らが作成した計画を見ながらあーだこーだ森林所有者と計画会社、請負業者の3社で打ち合わせするというような仕事の進め方とのことです。計画自体は森林所有者の手元に置きつつ責任は計画会社、結果は当然請負業者が責任を持つということで、これはうまい仕組だなぁと感心させられました。だって、金の流れと責任の所在を考えると、それぞれがそれぞれの目的で頑張るインセンティブがありつつ、所有者の意志もしっかり反映できて色々面倒がないという、素敵なやり方なんじゃないかと思うのですよ。来年からうちの会社のシステムも変わるようで、まさしくこのシステムとおんなじ分担になるんじゃないかしら。興味深いので来週もう少し詳細を聞ければと思っています。