大阪ハムレット

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久方ぶりに岸部一徳を見たくて、北見にわざわざ遠征したのはもうだいぶ前のはなし。一徳が出るんだから面白い、そういうわけではないけれど、やっぱり外れはほとんどなくて、本作も心温まる良いお話。
肝っ玉オカン(松坂慶子)と悩める三人の息子に、いつの間にか家にいたオッサン(岸部一徳)。それぞれが人生に悩みを持っているけれど、家族?といっしょならなんとかなるさ。そんな家族の絆と成長を書いた暖かいお話でした。
一徳の間の取り方、空気の作り方はあいかわらず天才的で、ラストシーンの台所で彼の持ち味は最大に発揮され輝いていた。やっぱり一徳の演技はぐっときます。
と、いつもどおり一徳に感動したのに加え、この映画は次男役の森田直行がすばらしい。「なんでこんなんといっしょやねん!」から「ハムレット読んだことあるんかい!」に至るまでの心理描写、というか成長を見事な演技力で表現していて、次は何の映画に出るんだろうかと思わせる俳優に出会うことができました。これだから映画を見るのはやめられない。あと三男役の大塚智哉は新人らしからぬ演技と殺人的なかわいらしさを発揮していて、世の中のおねーさんのハートをがっちりキャッチしつつ、一部のおにーさんを禁断の世界にいざないそうな気がしました。あぁ、あのまま大人にならないでいてほしいですわっ。
そういや松坂慶子と一徳って死の棘と同じキャストなんですな。あの映画とは180度反対といってもいい映画だけども、まったく違和感なく演じきる二人に拍手。